●西洋美術史一覧 ゴシック〜20世紀前半 時代・様式&代表的な画家

■ゴシック
ゴシック美術:12世紀前半から15世紀末頃、主にアルプス以北で発展した建築・美術様式。尖塔アーチや飛梁など構造要素の革新によって大聖堂など巨大建築が可能になり、建築枠に囚われない丸彫り彫刻や絵画は優美で自然主義的傾向が強い。
  ジオット(1266頃〜1337)
シモーネ・マルティーニ(1284頃〜1344)

■末期ゴシック

 ヒエロニムス・ボス(1450頃〜1516)

■ルネサンス
◆初期ルネサンス
美術において、古典古代の「再生」がフィレンツェを中心に本格化した15世紀初頭から末までを指す。この時期、芸術家自らがローマで古代の遺跡・美術作品の調査を行い、人間中心の芸術理念が作品に反映されるようになった。
 フラ・アンジェリコ(1387/1400〜1455)
マサッチオ(1401〜1428)
ドナテッロ(1382/83/86〜1466)
サンドロ・ボッティチェッリ(1444/45〜1510)

◆盛期ルネサンス
ルネサンス美術が完成の域に達した15世紀末から16世紀初頭の約30年間の時期を指す。絵画・彫刻の分野では正確で均整のとれた人体、表現やポーズによる心理表現が達成され、建築では完璧な比例的調和に重厚なモニュメンタリティが付与された。
 レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)
ミケランジェロ・ブオナローティ(1475〜1564)
ラファエッロ(1483〜1520)
ジョルジョーネ(1476/78頃〜1510)
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1488頃〜1576)

◆北方ルネサンス
15〜16世紀のアルプス北側の美術の総称。ネーデルラント(ベルギー、オランダ)、フランス、ドイツ語圏を含む。アルプスの北側には15世紀末にイタリア・ルネサンス美術が伝わったが、各地域では写実性を追求した独自の芸術が展開していた。
 ヤン・ファン・エイク(1390頃〜1441)
アルブレヒト・デューラー(1471〜1528)
ルーカス・クラナッハ(1472〜1553)
ハンス・ホルバイン(1497/98〜1543)

■マニエリスム
イタリア語の「マニエラ(手法)」から派生した語。16世紀イタリアで支配的だった芸術様式を指す。盛期ルネサンスで重視されていた古典的調和が放棄され、洗練された技巧、非現実的な優美さ、観念性が追求された。
 ロッソ・フィオレンティーノ(1494〜1540)
ヤコポ・ダ・ポントルモ(1494〜1556/57)
エル・グレコ(1541〜1614)

■バロック
16世紀末のイタリアから発し、17世紀のヨーロッパと中南米のスペイン・ポルトガル植民地で展開した美術を指す。盛期や様式に地域差はあるが、過剰な装飾性、感情に訴える劇的な動きや明暗の表現などを特徴とする。
 レンブラント・ファン・レイン(1606〜1669)
ピーテル・パウル・ルーベンス(1577〜1640)
ピーテル・ブリューゲル(1525/30〜1569)
アンソニー・ヴァン・ダイク(1599〜1667)
ヨハネス・フェルメール(1632〜1675)
ディエゴ・ベラスケス(1599〜1660)
カラヴァッジオ(1573〜1610)

■ロココ
ロココ美術:1710年代から1760年代にかけてフランスからヨーロッパに波及した美術。本来は、左右非対称、曲線の多様、繊細さや軽妙さへの好みなどを特徴とする装飾様式を指したが、現在ではこの時代の美術全般に適用される。
 フランソワ・ブーシェ(1703〜1770)
ジャン・オノレ・フラゴナール(1732〜1806)
アントワーヌ・ヴァトー(1684〜1721)

■新古典主義
古代ギリシア・ローマ美術を規範に同時代美術の創造を目指す運動。18世紀後半から19世紀初頭、ロココの享楽性への反動や考古学的発見を契機に各国に広まる。明確な形態把握と道徳的主題、簡素な表現を特徴とする。
 ジャック・ルイ・ダヴィッド(1748〜1825)
ドミニク・アングル(1780〜1867)
ヨーハン・ハインリヒ・フュースリ(1741−1825)*

■ロマン主義ほか
ロマン主義:芸術家の想像力や個性、時代・地域性を尊び、多様な美を主張する反古典主義的な芸術思潮。急激な社会変動を経た19世紀前半を中心に各国に伝播、近代芸術の出発点となる。造形的には表現性や運動感、色彩表現を重視。
 フランシスコ・デ・ゴヤ(1746〜1828)
ウィリアム・ブレイク(1757〜1827)
ウジェーヌ・ドラクロワ(1798〜1863)
ウィリアム・ターナー(1775〜1851)

■写実主義
現実的主題をありのままに描く、あるいは対象を細部まで正確に描く手法、様式。19世紀半ばには文学と連動しながら、主題の同時代化と現実化を掲げる重要な近代絵画運動としてフランスのクールベらを中心に発展を見た。
 ギュスターヴ・クールベ(1819〜1877)
オノレ・ドーミエ(1808〜1879)
ジャン=フランソワ・ミレー(1814〜1875)バルビゾン派?
フェリックス・ジーム(1821〜1911)*◆
アンリ・ファンタン=ラトゥール(1836〜1904)

■バルビゾン派
パリ郊外のフォンテーヌブローの森などのありふれた風景を制作した。
 テオドール・ルソー(1812〜1867)
カミーユ・コロー(1796〜1875)

■象徴主義・世紀末芸術
象徴主義:19世紀後半のもう一つの重要な芸術の流れ。人間存在と運命に関する深い苦悩、精神性への欲求から、内的な思考や精神の状態、夢の世界などを表現しようとした。それ故に、象徴主義は。主題や表現手段の上できわめて多様な形を取った国際的な潮流となった。
 ギュスターヴ・モロー(1826〜1898)
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824〜1898)
グスタフ・クリムト(1862〜1918)ウィーン分離派
アルノルト・ベックリン(1827〜1901)
オディロン・ルドン(1840〜1916)

◆ラファエル前派
最初の象徴主義の運動の一つ。
 ウィリアム・ホルマン・ハント(1827〜1910)
ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829〜1896)
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828〜1882)

■印象派
印象主義:19世紀後半、フランスから各地に広がった重要な近代絵画運動。既存の制度、美学に対抗し、1874年パリで第一回団体展を開いたモネらが中心。新しい造形観の下に都市や自然の現在を筆触分割や戸外制作を取り入れて表現した。
 クロード・モネ(1840〜1926)
エドゥアール・マネ(1832〜1883)
ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841〜1919)
エドガー・ドガ(1834〜1917)
カミーユ・ピサロ(1830〜1903)
アルフレッド・シスレー(1839〜1899)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)

◆ポスト印象派
後期印象主義:本来はセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンに批評家フライが付けた呼称だが、通常は彼らに加え、印象主義以後、その運動を母胎としつつ乗り越える形で現れたスーラーを始めとする世紀転換期の独立展系の画家全般を指す。
 フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)
ポール・ゴーギャン(1848〜1903)
ポール・セザンヌ(1839〜1906)

◆新印象派

 ジョルジュ・スーラ(1859〜1891)

■ナビ派
ナビ派:ヘブライ語の「予言者」という意味の言葉から名を取っていることからもわかるように、宗教的な秘密結社に近い性格を持っていた。
 ピエール・ボナール(1867〜1947)
アリスティッド・マイヨール(1861〜1944)*彫刻家

■アール・ヌーヴォー
19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパを中心に展開した運動、装飾や工芸の価値を芸術の域まで高めようとし、西洋芸術の伝統的なヒエラルキーを問い直した。様式的には自然をモチーフとした曲線的で有機的な形態を特徴とする。
 アルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)
エミール・ガレ(〜)
ルネ・ラリック(〜)
ドーム兄弟(〜)

■フォーヴィスム(野獣派)
20世紀初頭のフランスの絵画運動。鮮やか色彩と大胆な筆触、自然の模倣によらない単純化された形態による画面構成を特徴とする。但し、フォーヴの画家達は共通の綱領を持つグループとして活動したのではなかった。
 アンリ・マティス(1869〜1954)
ジョルジュ・ルオー(1871〜1958)
モーリス・ド・ヴラマンク(1876〜1958)
アンドレ・ドラン(1880〜1954)
ラウル・デュフィ(1877〜1953)
アルベール・マルケ(1875〜1947)

■表現主義

 エゴン・シーレ(1890〜1918)
オスカー・ココシュカ(1886〜1980)
エミール・ノルデ(1867〜1956)ドイツ表現主義
エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナー(1880〜1938)ドイツ表現主義
フランツ・マルク(1880〜1916)

■キュビスム(立体派)
1908年頃からピカソとブラックを中心に展開された20世紀の主要な芸術運動の一つ。三次元的対象を二次元的平面に解体する大胆な造形を試み、更に新聞紙など現実のオブジェを導入して、伝統的な絵画の意味機能を覆した。
 パブロ・ピカソ(1881〜1973)
ジョルジュ・ブラック(1882〜1963)フォーヴィスム〜キュビスムへ

■抽象派
現実世界の再現を拒否して、色や形などの造形要素だけで自立的な表現世界を作り上げようとする。
 ワシリー・カンディンスキー(1866〜1944)
ピエト・モンドリアン(1872〜1944)

■エコール・ド・パリ
世界の各地からパリにやってきて、放浪生活の中で抒情性の強い作品を生み出して行った。
 アメデオ・モディリアーニ(1884〜1920)
シャイム・スーティン(1894〜1943)
マルク・シャガール(1887〜1985)
モーリス・ユトリロ(1883〜1955)

■素朴派
「素朴派」と呼ばれる素人画家。
 アンリ・ルソー(1812〜1867)

■シュルレアリスム(超現実派)
芸術や文学における20世紀の主要な運動で、1924年のブルトンの宣言に始まる。夢や無意識を通じて合理性を超えた世界が表現された。ダダの姿勢を継承し様々な実験的手法が試みられたが、一方で明確な政治性をもつ。
 サルバドール・ダリ(1904〜1989)
アルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)
ルネ・マグリット(1898〜1967)
マックス・エルンスト(1891〜1976)
ジョルジョ・デ・キリコ(1888〜1978)
イヴ・タンギー(1900〜1955)
ジョアン・ミロ(1893〜1983)
ポール・デルヴォー(1897〜1996)

■19世紀後半〜20世紀前半のその他の美術家

 パウル・クレー(1879〜1940)
マルセル・デュシャン(1887〜1968)キュビスム〜ダダ
エドヴァルド・ムンク(1863〜1944)20世紀表現主義の出発点
ジェームズ・アンソール(1860〜1949)20世紀表現主義の出発点
モランディ(1890-1964)












参考資料一覧:
・美術出版社 増補新装 カラー版 西洋美術史
・東信堂 バルビゾン派
・美術出版社 西洋絵画史入門

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